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ニュースリリース

セルロースナノファイバー製品の生活産業事業について

2024年04月01日
株式会社遠藤総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:遠藤潔、以下「遠藤総研」)は、セルロースナノファイバー製品の生活産業事業(以下「本事業」)の円滑な販売実施に協力して参ります。

本事業は、セルロースナノファイバー製品の早期普及を目的として取組むものです。セルロースナノファイバー(以下、CNF)は、木材や草などどこにでもある植物の主要成分であるセルロースが原料です。植物や木材を原料として、セルロース繊維を機械的に破砕・せん断処理することでナノスケールまで微細化したものがナノセルロースで、繊維状のCNFと結晶状のナノクリスタル(CNC)があります。

不織布は接着剤などを使用せずに加工するため、化学物質の溶出リスクが低く衛生材料や液体ろ過フィルターなどに多く使用されています。高機能化による用途開発が進められており、2023年の市場は1,864億円が見込まれています。

市場規模が大きいスパンボンド不織布は、紙おむつ、ガーゼ、医療用ガウン、マスク、湿布など衛生材料用途が主体です。ポリエステル製品はリサイクル品が徐々に伸びるほか、植物由来原料を使用した製品も実用化に向けて開発が進むとみられています。

スパンレース不織布は布のようなソフトな手触りと豊かなドレープ性から衛生材料に加え、フェイスマスク、制汗シート、メイク落としシートなど化粧品での採用が増加しています。美容意識の向上やコロナ禍を経験したことによる清潔志向の高まりなどにより今後も伸びが続くとみられています。

SDGsが求められる現代社会では、CNFは天然素材というアピールポイントを生かした用途開拓が進んでいます。石油系の資源をつかわずに、今まで利用されてこなかった植物、すなわちバイオマスを資源に使えるCNFは、廃棄物削減や地球温暖化防止のニーズや天然素材であることで人体に触れる用途にも安心して使用できます。

日本でも自然志向・健康志向の社会ニーズがさらに強まれば、天然素材という点がより注目され日用品や食品、雑貨の開発・実用化が進むだけでなく、CNFの製造法の改良が進み低コスト化が実現されます。製造コストが下がることで、CNFの機械的強度の高さを生かした自動車や航空機などの構造材や建材分野などより機能性を重視する分野での応用が進むことが期待されています。

遠藤総研は、本事業を含め、環境社会の構築、資源リサイクルの効率化、超高齢化社会への対応など、社会的課題の解決に貢献する関連事業に引き続き多面的に取組んで参ります。