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ニュースリリース

カーボンリサイクル関連商品の環境事業について

2022年09月01日
株式会社遠藤総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:遠藤潔、以下「遠藤総研」)は、カーボンリサイクル関連商品の環境事業(以下「本事業」)の円滑な販売実施に協力して参ります。

本事業は、カーボンリサイクル関連商品の早期普及を目的として取組むものです。カーボンリサイクルとは、CO₂を資源として捉え、これを分離・回収し、鉱物化や人工光合成、メタネーション(火力発電所などから排出され、分離・回収したCO₂と、水の電気分解などで生成される水素を、触媒を充填した反応容器内で反応させることで、メタンを合成する技術)による素材燃料への再利用等とともに、大気中へのCO₂排出を抑制する取組です。

CO₂を利用する方法としてCCUS(Carbon dioxide Capture and Storage)と呼ばれる分離・貯留したCO₂を利用する方法があり、例えばCO₂を利用して、ウレタンやポリカーボネートといった化学製品の製造、光合成をおこなう微細藻類を使ったバイオ燃料などに利用することが考えられています。カーボンリサイクルは、地球温暖化をはじめとする環境問題の解決に向けて、再生可能エネルギー 、省エネルギー、CCS(発電所や化学工場などから排出されたCO₂を、ほかの気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入する方法)などとともに、鍵となる取組の一つと期待されています。

カーボンリサイクル市場のなかで最も大きな規模となっているのが、自然吸収型のCO₂分離技術です。これは植物や海洋によって吸収するタイプを指し、市場はグリーンカーボンとブルーカーボンに大別されます。グリーンカーボンは植林や再造林などがあり、ブルーカーボンはマングローブの植林や藻場の造成・保護などがあります。グリーンカーボンは、植林・再造林造成の費用。ブルーカーボンは、吸収源造成の費用から市場を算出。

自然吸収型のCO₂分離回収技術の市場規模は、2022年7兆8440億円、2050年には2021年比29.2倍の201兆9200億円に拡大すると予測されています。拡大の要因としては、グリーン・ブルーカーボンともにカーボンクレジットを目的とした民間企業による投資の増大が挙げられます。

グリーンカーボンは、製紙企業や製材企業が中心となって植林や再生林を推進しています。普及には民間企業がカーボンクレジットを目的として幅広く参画することが不可欠ですが、クレジット申請のために継続的な森林の維持やモニタリングを行う必要があり、ハードルが高いことが障壁となっています。今後、条件の簡略化などにより、カーボンクレジット目的の参入が促進されるとことが期待されています。

国内では森林の高齢化でCO₂吸収能力が下がっているため、再造林が必要となっています。また、現在成長が早く従来の1.5倍以上のCO₂吸収量を有するエリートツリーの研究開発が行われており、2050年までには再造林の90%以上をエリートツリーにすることを目指しています。

ブルーカーボンは、国内では一部地域でアマモの保全活動が行われており、海外ではマングローブの植林が主体となっています。国内では自治体やNPO法人による保全活動が中心でしたが、将来的な拡大には民間企業の参入による市場の活性化が求められています。

多くの国においてCO₂吸収・固定量の算定手法やモニタリング手法は未確立であり、2030年頃に算定手法が確立され、カーボンクレジットの申請をしやすい環境が整うことが予想されます。今後、造成プロセスの高効率化で面積当たりの単価は減少し、造成地が増加することで市場拡大が予想されます。

また、現状グリーンカーボンでは植林した樹木を木材や製紙として販売することができる一方、ブルーカーボンは海草藻場やマングローブのなどから創出される製品が存在しないため、民間の参入促進にはブルーカーボン由来の新産業の創出に取り組む必要があります。

遠藤総研は、本事業を含め、環境社会の構築、資源リサイクルの効率化、超高齢化社会への対応など、社会的課題の解決に貢献する関連事業に引き続き多面的に取組んで参ります。