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ニュースリリース

世界ハビタット・デー

2020年10月05日
毎年「世界ハビタット・デー」は、世界の都市やまちの状況に注目しています。今年は、特に持続可能な都市開発の原動力として、住宅が果たす中心的役割に焦点を当てています。

現在、10億の人々が密集した居住地の不適切な住宅にひしめき合うように生活しています。2030年までにその数は、16億人にまで増えるでしょう。住まう権利や水・衛生・交通などの基本サービスへのアクセスが可能となる廉価な住宅を低所得世帯や脆弱な立場の人々に供給するための行動が今、求められています。世界の需要に応えるためには、毎日9万6千軒以上の住宅建設が必要となります。しかも、環境配慮型社会への移行に沿うものでなければいけません。

このような生活状況の改善に一刻の猶予もないことは、新型コロナウイルスが何百万人という都市の人々の生命を脅かしたことによって改めて浮き彫りとなりました。社会的距離を保ちながら、清潔な水や衛生設備へのアクセスを確保することが、感染症流行対策の鍵です。しかしながら、スラムでは、これらの対策を取ることが難しいことが明らかとなっています。これは、スラムに留まらず、インフォーマル居住区で生活し、インフォーマルセクターに働く低所得労働の人々に下支えされる都市全体で感染リスクが高まることを意味します。

持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた「行動の10年」の中、今年の「世界ハビタット・デー」に寄せて、私は、都市における住宅の課題を改善するために、パートナーシップに基づいた低所得層にやさしい政策や規制を促進する一層の努力を求めます。感染症流行を克服し、感染症があらわにした脆弱性と不平等に取り組み、気候変動と戦いながら、今が人と地球のために都市化の変革の可能性を引き出す時なのです。


(アントニオ・グテーレス 国連事務総長メッセージより)