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ニュースリリース

世界野生生物の日

2018年03月03日
「世界野生生物の日」にあたり、私たちは地球上の野生動植物が私たちの文化、そして私たちの社会の持続可能性に果たす役割に注目します。今年は世界の大型ネコ科動物にスポットが当てられています。チーターやジャガー、ヒョウ、ライオン、ピューマ、ユキヒョウ、トラをはじめ、これら堂々たる捕食動物たちは、アフリカからアジア、さらには米州に生息しています。

カリスマ性の高いこれらの生物は、その優雅さと力によって、世界的に崇拝されているものの、絶滅の危機に瀕することが多くなってきました。事実、大型ネコ科動物の数は、最近になって急減しています。わずか1世紀ほど前、アジアには10万頭ものトラが生息していましたが、その数は現在、4,000頭を切っています。かつての頭数の実に96%が失われたことになります。

大型ネコ科動物のすべてが、同じ運命をたどっています。生息地の喪失や気候変動、密猟、密売、人間と野生動物の争いによって、全体的な脅威にさらされているからです。私たちがその減少の原因だとすれば、こうした動物を救えるのも私たちです。

「持続可能な開発目標(SDGs)」には、野生動植物保護種の密猟や密売に終止符を打つための具体的なターゲットが含まれています。国連加盟国は昨年、野生生物減少のこの一大原因に取り組むため、3つ目の画期的な決議を採択しており、世界中の政府や市民社会、民間セクターの関係者は、この決意を行動へと移すために力を合わせています。

大型ネコ科動物をはじめとする絶滅危惧種を救うための最終的な解決策となるのは、健全な科学と法の支配に基づく保全政策です。こうした政策では、現地住民のニーズも十分に考慮しなければなりません。地域社会と地域経済が野生生物の保全で利益を得られれば、戦略が成果を上げる確率も一気に高まるからです。

大型ネコ科動物は中枢種です。これを保護すれば、生息地となっている広大な地域の景観や、そこに暮らす多種多様な生物も守られることになります。つまり、地球の健康に欠かせない生態系全体の保護に向けた出発点と言えるのです。

多くの勇敢な公園保護官や警察官は、自らの命を危険にさらしながら野生生物犯罪と闘い、絶滅の危機に瀕した生物種を守ろうとしています。しかし、野生生物の保護は共通の責任です。「世界野生生物の日」にあたり、私は全世界の人々に対し、意識の向上に取り組むとともに、世界の大型ネコ科生物と、その貴重で脆弱な生物多様性の存続確保に向けて、一人ひとりが行動を起こすよう呼びかけます。


(アントニオ・グテーレス 国連事務総長メッセージより)